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うたかた 第2話 前編

この世に必要不可欠なものは何だろう?

金?愛?仕事?様々な答えが出てくるだろうか、高杉大樹はこう答える、メールだと。電話は掛けづらいがメールなら気軽に送信できる。そう考えている人は多いだろうし、高杉大樹もその一人だ。もちろん確実に用件を伝えられるという点では電話の方が重要だという一面もあるが、電話に相手が出ない可能性がある以上確実に用件が送れるメールの方が上だと高杉大樹は考える。それを相手が読まない可能性もあるし、実際に会って言うのが一番伝えられるという意見についての論述は控える。

もちろん留守番電話という機能を高杉大樹も知ってはいるが、大体の人が電話を掛け、長い時間待たされ、やっと出たと思ったら無機質な留守番応答メッセージ。この時点で舌打ちと共に電話を切る人は少なくない。高杉もそうする事がある。ただそれはあくまで友達同士に電話するパターンであるし、どうせ着信履歴に残っているんだろうから、後々掛け直してくるだろう。用件はその時に言えば良い、わざわざ独り言の如くメッセージを吹き込む必要はないと考えている。それに仕事となったらきちんと留守番電話にメッセージを残す。舌うちなんてもっての外だ。

それが年齢的には高校3年生である高杉大樹の考え方だ。例え18歳だとしても守るべき礼節は守る、それが嫌いな親父から唯一学んだ事だ。高杉大樹は学校で学ぶ事も父親から学ぶ事も意味は無いと考えている。今の母親からは?という問いに至っては反面教師と言う4文字しか出てこない。机の上での学問も、時たま酒に酔いながら戯言を吐く父親の言葉も、社会に出た時には何の役にも立たない。自分一人でお金を稼ぐために必要なものは何か?そう問われたら高杉大樹は迷い無くこう答えるだろう、信頼と。

それがこの世で一番大事なものだ。それに比べれば今目の前で展開されている連立方程式の公式など何の役にも立たない。一時間ほど前黒板に書かれていた現在進行形の英文も同様だ。こんなのは生徒を学力という言葉でランク付けする為の手段に過ぎず、大学という機関に行く掛け橋でしかない。高杉大樹は大学に行く気が無い。学びたい事がある訳ではないし、将来の為という言葉も存在しない。そもそも将来と就職という言葉が同じ言葉で成り立っている昨今、高杉大樹は既に自分の仕事を得ていた。そして高杉大樹はこの年にしてそれなりのお金を稼ぐ事が出来ていた。ほら、また新たな飯の種が来た。携帯が震えてメールの着信を知らせる。送信先はみた事が無いアドレスであり、懸命には見なれた文字が表示されていた。

【初めまして、依頼をお願いしたくてメールしました】

高杉探偵事務所。場所のネットの広大な海にある。HP上のみの探偵事務所だ。理由としては単純で土地代建物代を捻出できなかっただけ。それならばネット上のみの探偵事務所ってのはどうだろう?そう考えてHPを立ち上げて間もなく一年が経つ。もちろん所長も所員も大樹一人なので活動には限界がある。遠出する事は出来ないから当然依頼は諏訪川市限定となる。しかしそれなりに都会であるこの街にはトラブルの火種があちこちでくすぶっているらしく、大樹のメールボックスには様々な相談メールが飛び込んできた。

もちろん単なる冷やかしや悪戯メールもあったが、真剣に相談をしてくる手紙もあり、そこから依頼へと発展する事が多々あるある。もちろんその殆どを解決し、然るべき代金を受け取ってきた。よって高杉大樹はアルバイトなどしていない。そんな暇など無いという答えもあるし、既に働いているんだからわざわざ人の下に付いてお駄賃を貰う意味が無いと考えているからだ。

そして今日もメールが来た。高杉にはこういう才能があったのかそれとも3年間探偵事務所を続けた成果なのかは知らないが、最近ではメールを見ただけでそれが偽物か本物か判別付くようになってきた。そして今回は…本物だ。気合いを入れてメール本文を読む。

はじめまして、私は諏訪川市に住む24歳のOLです。じつは彼が店を立ち上げる為に借金をしてその連帯保証人になってしまったのです。そして彼は店を開店したのですが、最初の内は繁盛していました。しかし今となっては閑古鳥が鳴いている状態で一日で1人もお客が来ないことも珍しくありません。そしてつい最近店の入り口に【閉店いたします】という張り紙をして彼は消えてしまいました。私に一言の相談も無くです。

当然取り立ての手は私に伸び、会社を辞めて夜の街で働けと行ってきます。一応彼とは付き合っていたのですが最早自然消滅し、今は会社にいる人と婚約しているのです。この事がバレたら結婚が破談となってしまいます。どうにかなりませんか?お願いします。

メールを読んで高杉大樹は呟いた。
「救えねぇな、ばか女が…」
そして先生にトイレに行ってきますと言って立ち上がる。先生も慣れたもので、
「ああ、行ってこい」
とぞんざいに言い放った。高杉自身これがばればれの嘘である事は承知しているし、黒板にチョークを滑らせている社会科教師である山本勇作もそれをそれだと分かっている。だがそれでも良い。体裁さえ整っていればどうでも良い。それが2人の共通認識だった。鞄を手にトイレへ行こうとすると隣に座っていた女子生徒が、
「高杉君…」
と心配そうな目で見つめてくる。それをぎろっと一睨みするとドアをガシャっと閉めて教室を出た。睨まれて涙目になった女子生徒に友達が話しかける。
「かなみ~、大樹を高杉って呼んじゃだめだって言ったでしょ。あいつ、その名字で呼ばれるの嫌いなんだからさ…」
「でも…でも…」
澤井かなみは辛い気持ちになっていた。好きな人を名前で呼びたい気持ち、でも恥ずかしくて名字でしか呼べない気持ち、そして拒絶された気持ち。それでも…それでも見つめてしまう――見つめ続けてしまう気持ち。

高杉大樹は気にしない。教師にうとまれようが気にしないし、女子の好意も気にしないし、周りの気遣いも気にしない。そこまで気が回らないからであり、高杉の頭は仕事で埋め尽くされているのだから。そして、ばか女への元へと向かう。これが諏訪川高校3年2組出席番号18番である高杉大樹の日常だ。



コーポ中村。築26年である普通のアパートだ。そこの2階の4号室である204号室のドアがどんどんとノックされている。比喩ではなく本当にどんどんと。もしドアに感情があるのだとしたら「そんなに叩かないでよ」と懇願していた事だろう。男はどんどんと叩きながら近所に聞こえるような声で呼びかける。否、それは呼びかけるというより叫ぶという方が正しかった。
「沢田さーん。武田ローンの金子でーす!いるんでしょ?出てきてくださいよ~」
それは沢田に呼びかける意図もあったが、マンション全体に呼びかけるという意味合いの方が強かった。その意図は成功したらしくドアが素早く開き、ドアからそっと顔を出した沢田理子は小声で強く呟く。
「いますっ!いますから大声で騒ぐのは止めて下さいっ!!近所迷惑なのが分かりませんか?」

沢田理子が見たのは2人の男だった。先程叫んでいた男が笑顔で嫌らしく囁く。
「沢田さん、いたなら早く出てきてくださいよ。大声出しちゃったじゃないですか~」
嫌らしい口調同様、人を不機嫌にさせる格好だった。歳は30前後だろうか。丸刈りの頭に剃りこまれた眉、鋭そうな眼光は飢えた野犬を連想させた。赤い上下のスーツが悪い意味で似合っており、一定の層には受けが良いだろうが、少なくとも沢田理子にとっては一緒に歩きたくないコーディネートだ。

そしてもう1人は何も言わず金子の後ろにいてじっと2人のやり取りを見つめていた。最初は金子の部下かと思ったが、すぐに違う事が分かる。雰囲気が違うのだ。坊主ではないが短めに刈りこまれた髪型、ぱりっと着こなしている黒いスーツ、優しそうな瞳に落ち着きを感じさせる眼鏡、年は20代前半だろうか、そのスタイルは新入社員という言葉を連想させたが、実際には金子という男より遙かに格上に感じられた。金子がきゃんきゃん吠える野良犬だとしたら、この男はじっと獲物が罠にかかるのを待つ獅子という感じがした


金子がぐいっとドアを開いて玄関内に侵入しようとする。理子はそれを止めようとするが金子に体ごと押し切られてしまう。理子と金子の体がくっ付き、お互いの顔が唇が触れるくらい近付く。理子は思う、これが片思いしている仲嶋君だったらどんなに幸せだろうと。しかし、今吐息が掛かる位近くにいるのは理子のタイプとは真逆の男であった。金子は嫌らしい顔をしながら理子に囁く。

「沢田さん、利息分合わせて300万円、早く返してもらえませんかね~」
「でも、今の私は持ち合せが無いし、元々私が借りたお金じゃないし…」
「でもあなたが連帯保証人になったんでしょ?彼氏が飛んだ以上あなたが払うしかないんですよ。ちなみに保証人と連帯保証人の違いって知ってますか?普通の保証人は債務者――つまりお金を借りた人の返済が滞った場合、まずは債務者本人に返済を催促しないといけないが、連帯保証人は返済が滞ったら債務者を飛び越えていきなり返済を催促しても良いと法律に決められているんですよ。ほら、テレビドラマでよく言うでしょ。連帯保証人は自分が借りた事と同じ事だってね。それは、こういう事なんですよ」
「でも…でも…」
「沢田さ~ん、学校で習ったでしょ。借りたものは返す。当たり前の事ですよ」

沢田理子は泣きそうになっていた。普通のOLである女性に300万程の大金がある訳が無い。そりゃあ将来に向けてちょっとは貯金をしているが、それでも借金を全額返済する事は出来ない。となると親に頼るしかないが、こうなった事情が事情だけに親には言い難い。彼氏だと思っていた男に騙されて借金を押し付けられました。そして、当の本人は自分の前から逃げ出し、後に残ったのは300万の借用証書だけでしたなんて言える訳が無い。

「お願いします。もうちょっと待ってくれませんか?そうすれば必ず…」
沢田理子は情に訴えてみるが相手は非情だった。当然だ、相手はこれが仕事なのだから。金子は微笑みながら理子の頼みを却下する。
「我々もビジネスでやっていますからね。こちらにもノルマというのがあるんですよ。そんなにのんびり待っている訳にはいきません。それにだ、沢田さんは今持ち合せが無いだけでしょ?沢田さん程の美貌だと300万位すぐつくれますよ。どうです?私達が良い職場を紹介してあげましょう。300万なんてすぐ返せて、しかもお釣りがくるくらいの儲けられる仕事をね♪」

沢田理子もばかではない。この世の中の仕事は2種類に分けられる事を知っている。頭を遣う仕事と体を使う仕事だ。そして金子が紹介しようとするそれは明らかに後者であり、その上お酒を片手に酌をするような仕事では無い事が明らかであった。理由としては金子がじろじろと理子の体を舐めまわすように視姦している様子――その眼はスカートの下にある太ももを嫌らしく見つめ、その瞳はTシャツ上に存在している胸の膨らみを値踏みするように見つめていた。そして嫌らしいその目つきは沢田理子の顔を見て一日に何人の客が取れるか計算しているようでもあった。

沢田理子は生涯掛けて1人の男に付くすような古風な女性ではない。しかし誰かれ構わず体を許すような女性でもない。同年代の美形な男性ならともかく、見も知らぬ相手、それも下手したら自分の親程の年齢に唇を、体を、乳房を、秘部を、舐められしゃぶり尽されるのは我慢出来なかった。しかし、このままでは確実にその未来を辿る事になる。あまりの絶望的な将来に泣きそうになると、金子の後ろで佇んでいた男が一歩前に出てきて理子に囁いてきた。

「お嬢さん、あなたは良い女です。そして可哀想な人だ。同情はしますが、自分達もこうしないと食っていけませんからね。しょうがないんですよ。ただ、自分はキレイな人が大好きでね。そんなあなたに1つ世の中の真理ってのを教えてあげましょう。お金ってのはね、借りるものでも、返すものでもないんです」
「ちょっ…新城の兄貴…」
金子はうろたえていた。先程までの自分の言葉――【借りた金は返す】が全否定されたような気がしたからだ。この人は何を言い出すんだろう、そう思っていたが次に兄貴から出てきた言葉は世の中の真実であった。

「金は、奪うものです。あなたの彼氏は我々から金を奪った。そして私達はあなたから金を――正確には体を奪う訳です。それが世の中の常識なんですよ」
「金は…奪うもの…」
沢田理子はオウムのように言われた言葉をパクパクと呟いた。それは観念している様子でもあった。2人の男達に、そして間もなく訪れる自分の未来に。

そんな時、鷹のように1つの声が聞こえてきた。それは沢田理子の声でも無ければ、金子の声でもないし、兄貴の声でも無かった。

「金は奪うものか…正論だね、だけど一つ付け加えておくよ。お金とは、奪われるものだ」

沢田理子は3人目の男を見た。上下黒いスーツに身を包んでいた男は新城と呼ばれた男よりもさらに若そうに見えた。20代前後。もしかしたら10代かもしれない。女性が欲しがる奇麗な二重瞼を持ち、これまた羨ましがられるような白い肌。サラサラとたなびくショートヘア、どちらかと言えば華奢な体に、女装させたら似合いそうな中性的な顔付き。その男はゆっくりと、しかし力強い意志を持って喋り出した。
「おたくらがこの娘さんにいくら借金があるか知らないが、こっちはこっちで借金があるんだよ。沢田理子さん、まずはこっちを支払ってもらいたいですね」

金子がその男に掴みかかる。当然だ、横から湧き出てきて人の飯の種を奪うような真似をされて黙るようなタイプではない。
「おい、てめぇ。横からしゃしゃり出てきて何言ってんだ?あんまりお茶目な事を言うとその小奇麗な顔を二度と見られない面にしてやるぜ」
「二度と見られない顔…君の顔みたいなもんですかね」
男は不敵な顔で言った。減らず口のつもりだったが、金子はその言葉に余程激昂したらしい。襟元に掴んだ手を握りしめて男の顔に叩きつけようとする。その手が鼻に触れる瞬間、新城が金子の手を掴んだ。

「やめろっ!俺達はビジネスマンだ。如何なる道理があろうと暴力沙汰は厳禁だと社長から教わっただろ!!」
新城は部下を一喝し、男にぺこりと頭を下げる。新城が男を見た刹那、ほんの瞬間だけ怪訝な表情をしたが、それに気付いたのは誰一人いなかった。そして新城は商談を開始する。
「部下が失礼致しました。しかしですね。そちらの言い分もかなり酷いと思いますよ。あなたがどこの誰だか知りませんが、こちらはこのお嬢さんに300万もの借金があるんだ。あなたがいくら貸したかは知りませんが…」

「900万」
「は?」
新城が、金子が、そして沢田理子がきょとんとした顔をする。男はもう一度同じ額を繰り返した。

「900万と言ったんですよ。沢田理子さんの彼氏が店の再建費用にお金がいると言って貸した額が750万、そして未払いの利息全てを足して900万です。こういう場合の優先順位は貸付額の多い方が優先されるのがこの業界のしきたりでしょ?だからどいて下さいよ。こっちは300万ぽっちに関わっている暇は無いんです。」

新城も、金子も、呆気に取られた顔をしていた。そして沢田理子が諦めの表情を見せてきっぱりと言い放つ。
「900万ですか…なら、決めました。私、自己破産します」
新城も、金子も、男も、一斉に沢田理子の方を振り向いた。そして理子の独り舞台が始まる。
「正直300万なら残りの人生を多少切り売りすれば何とかなると思っていましたが、900万だとそれも無理です。恥を忍んで親に頼っても合計1000万を超える借金なんてどうしようもないでしょう」
金子が理子を睨みつけ恫喝する。

「お前、そんな手が通ると思ってんのかよ」
金子の手が理子を掴む瞬間、その手をまたしても新城が止めた。
「止めろ、それはそれで一つの生き方だ。だけど沢田さん、一つだけ聞いておきます。後悔しませんね。何があっても…後悔、しませんね?」
沢田理子はきっぱりと言い放った。決意を、覚悟を、けじめを。
「はい、しません。絶対に。昔本で呼んだ事を思い出しました。人生ではやった事を後悔するより、やらなかった事を後悔する方が多いって。だから振り向きません。一旦全てを閉じて、またやり直します」

その決意に言葉をはさめるものはいなかった。誰も言葉を発しない中、途中参加した男が新城達にとある提案を始めた。
「良い覚悟だ。ところで、武田ローンさん、一つご相談があるんですが如何ですか?沢田さんが自己破産した場合残りの財産は裁判所によって処分され、その金額を債権者――つまり我々金貸しが貸した額によって等分するわけですが…ここで1つ手を組みませんか?

このお嬢さんの資産を【まともな方法】で換金した所でせいぜい100万か200万ってとこでしょ。それを900万のこちらと300万のそちらで分配した所でそちらの取り分は25万か50万だ。どうです?その300万の借用証書。50万円で買い取りますよ。もちろん今、その場で、現金支払いです。そちらからしたら煩わしい手続き無しにお金を得る事が出来るんです」

新城が怪訝そうな顔付きで男に尋ねる。
「解せないなぁ、何故そんな事をする」
「保険って奴ですよ。あなた達にとって私の登場が予想外だったように。第3者の貸金業者が登場する可能性だって否定できない。その業者がいくら貸していようが、あなたと私の借金総額1200万の借用証書を見せれば対抗できる奴はそういないでしょ。そういう意味ですよ」
新城はしばらく考え込んでいた。そして男の顔を見つめ、急に何かを思い出したかのように結論を出した。
「なるほどな…そういう事か。よし、分かった。売ろう、50万だ。おい、金子、借用証書を渡してやれ」

金子はしぶしぶ借用証書を男に渡す。紙切れ一枚が手渡された瞬間金子は男の空いている手をぎゅっと握った。
「友情の握手だぜ」
笑顔でそう言っている割にはぎりぎりと骨のきしむ音が聞こえてくる。常人なら痛さに顔をしかめているのだろうが、男は表情一つ変えない。そして力を入れ返してきた。
「友情の、握手ですね」
骨のきしむ音が二つ聞こえてくる。1つは男の、そしてもう1つは金子の。先に根を上げたのは金子の方だった。力を握る方向から手を引き離す方向へと変換させるが、男の握りしめた手がそれを許さない。
「どうしました?友情の握手でしょ?」
男はにこにこしながら更に力を込める。金子は笑顔と言うより顔面蒼白になっていた。そして骨のきしむ音から骨の砕ける音へと変化する瞬間…

「今日はそこまでにしておいたらどうです」
新城がさっと2人の間に入って手を引き離す、いとも簡単に。男は少しばかり驚愕した。手を離すつもりは全く無かったからだ。なのに、この男はいとも簡単に手を引き剥がした。その事実が証明する事は1つ――それは単純なる強さだ。それは絶対的な力だ。

「金子、帰るぞ。このお嬢さんにはもう用は無い」
金子ははいと言いながら、ぎろっと男を睨みつけた。
そして新城は帰り際くるっと振り向いてこう言った。
「お嬢さん、言い忘れてました。【また何かあったら】よろしくお願いですよ。武田ローンは低金利で皆様のご利用をお待ちしております」

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仕事くれと思ったり、仕事辞めてぇと思ったり、ニート最強と思ったり、そんな有意義な事を考えつつちまちま更新(?)していくブログです。

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