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日本沈没


ねぇ、知ってる?
地球って丸いんだよ。丸いんだよ。
大事な事なんで2回言いました。
意味、本当に分かってる?

日本沈没


~LIFE~

こんな国、滅んで無くなっちまえば良い。

世間は百年に一度の大不況、政治家はやるやると言って裏金作りに精を出し、上司は俺だって辛いんだと言いながら下っ端の首を切る。夜道を歩けば「誰でも良かった、むしゃくしゃしていた」そう言いながらナイフ片手に襲い掛かる狂人がいるし、携帯を開けば上辺だけの愛を囁きながら濡れた穴と勃った棒を求める獣達の化かしあい、ホントこの世の中は腐ってやがる。

いっその事、全て沈んでゼロからスタートすれば良いんじゃねぇか?

ガキの頃桃太郎電鉄というゲームを友達同士でやった記憶がある。ルールとしてはボードゲームみたいなものだ。サイコロを振って目的地の駅へと急ぎ、最終的に賞金が一番多い奴が勝ちというゲームだ。もちろんサイコロを振るだけの運否天賦ではなく、買い占める物件やカードの使い方など様々な戦略が取れる。そのカードの一つに徳政令カードというのがあった。

効果は至ってシンプルなもので借金がチャラになるというものだ。これがあればこっちのもだ。マイナスのマス等怖くはない。借金が億を超えても問題無い。膨らませるだけ負債を膨らませてカードを使う。そして借金はチャラになってゼロからのスタートってなもんだ。何て理想的なカードだろう。子供の頃にドラえもんの道具で欲しいのは何?と聞かれた質問があったが、今同じ事を聞かれたら真顔で件のカードが欲しいと即答するだろう。


そして今、目の前にはスイッチがある。もちろんこれは夢だ、それは分かっている。よく夢を見ている瞬間はこれが夢なのか現実なのか区別が付かないという話を聞くが、少なくともこれは現実でない事だけは確信出来る。何故ならばどんな現実であれ雲の上に座っているという事は有り得ないからだ。

下を見下ろせば街並みがプラモデルのように見える。「見ろ、人がゴミのようだ」笑いながら映画のまねっこでも出来れば良かったのかも知れないが、人影も何も見えないのだから言いようが無い。気が付いたら雲の上にあぐらをかいていて目の前には赤いスイッチが1つ。職場で学んだ事だが非常用の停止スイッチなどは赤色が基本らしい。何故かと言えばその方が目立つからというシンプルな理由だ。眼前にはスイッチが1つ。使用説明書も注意書きも添付されてないが自分には押せばどうなるか分かっていた。

押せば、全てがゼロになる。

それは【理解した】というよりも【分かっている】と言った方が正しいのかも知れない。例えば車の運転を例にとる。ギアをバックに入れれば後方に走る。それはその行為を行って初めて理解するものだ。車の事を何も知らない小学生にバックしろと言っても、運転席に座っておろおろするばかりだろう。対してキーを差し込むは少し違う。小学生程の知能があれば鍵を見て差し込み口を見る。その結果差し込むという答えが導き出せるだろう。別に行動を起こして理解する訳じゃない、最初から分かっているのだ。結論として、自分と赤いスイッチの関係はそれに似ていた。

さて、押すべきか押さざるべきか。

昨年だろうか、日本沈没という映画や漫画が流行っている事を思い出した。映画版の内容は良くあるパニック映画だったが、漫画版は少し趣を変えていた。映画版が【沈む国からどう生き延びるか?】を焦点に当てた作品だとしたら、漫画版は【沈んだ状態からどう生き延びるか?】に重きを置いていた。もちろん2時間弱の映像作品ではド派手な崩壊シーンや息を飲む救出劇にスポットを当てた方が派手だし見栄えも良い。結論として興行収入だって良くなる。そして、今目の前には日本を沈没させる事が出来るスイッチがある。

もちろん答えは【押す】だ。いや、先程から頭の中で声が繰り返し響いていた。押せ、押せ、押せ。何を躊躇う?押せば良いだろ、押せよ。自分はこんなくそったれな世の中に閉口している。そして全てをチャラにするボタンが目の前にある。全て消えさっちまえば良い、そう願う者の前にはその願望を叶えるボタンがある。何を迷う必要がある?押せば良いだろ。

そして手をスイッチに掛ける瞬間、震動音と共に目が覚めた。地響きで地面が割れたのでは無い。枕元に置いていた携帯が震えたのだ。サイレントモードにしている癖に着信するたびに目覚めたのならば意味が無い。いっその事バイブ機能すら削除してやろうかと思うが、社会人ともなった以上それをするにはリスクが大きすぎる。携帯を開けば無機質な上司からのメッセージが入っていた。

【当直組でトラブル発生、明日早出をしてくれ】

深夜のメールに対する謝罪も無ければ、勤務時間の変更に対するお願いも無い。そこにあるのはやって当然という命令だけだ。結局夢は夢であり、起きれば現実が待っている。映画版では【沈みゆく日本でも愛と勇気を持って生き伸びよう】というコンセプトが描かれていたが、そんなのは生温いのかもしれない。いっその事跡形もなく消えさればそれはそれで良いのかもしれないし、その方が楽だともさえ思う。地面は割れ、ビルは倒れ、車は横転し、人々の骸が積み上げられる。沈むよりそっちの方が余程厳しいし、辛い。

先程の映画と漫画の事を思い出した。こういう風に映画と漫画が両方存在すれば、「こっちの方が良い」「いやいや、こっちの方が…」という争いがおこるものであり、自分もその一人だった。ちなみに自分としては漫画版の方が好きであり、その根拠は最終回直前に描かれたセリフだった。うろ覚えだがどうにかして思い出してみる。

「現実の日本はどのようになっても沈没しない。…だからこそ、辛く、険しいのかも知れないな」

世の中ってのは本当に不公平なもんで滅んでしまえとどれほど願っても、無情な程に朝日は昇り憂鬱な一日が幕を開ける。かと言えばこんな幸せがずっと続けばいいのに――もしくは何事もない平凡な日々をずっと過ごせると思っていると非情な程に落とし穴がぽっかりと口を開けて待っている。曰く交通事故、曰く通り魔、曰く病気、曰く不幸。曰く…自然災害。

今度こそ全てが消滅していますように、せめて夢の中だけでも。そんな事を願いながら再度夢の中に舞い戻ろうとすると再び携帯がメールの着信を知らせた。先程と違うのは2点、まずは件名の部分に「起こしたらゴメンね」と書かれていた事と、送信者からのメールを待ち望んでいたという事だ。

顔を緩ませながら、心を躍らせながら、君からのメールを読む。そして考える。どんなに願ってもチャラにはならない。どんなに望んでも今日と同じ明日が来るとは限らない。ならば…ならば…僕達がするべき事は明日の沈没を願うことでもなければ、落とし穴に落ちないように恐る恐る歩く事でもない。

大事な人と手と手を取り合い、そして寄り添い、ぎゅっと2人で抱きしめあう。今日という日を後悔しないように。

例え現時点で大事な人がいなくても全てに絶望するのは早すぎる。世の中は広く、そして沢山の人がいる。気の合う人がいればどうしても馬が合わない人もいるだろう。全ての人とお手手つないで仲良く散歩なんてのは不可能だし、世の中全てが的だと悲観する事も無い。

あなたが誰かを見ているように、誰かがあなたを見ているのだから。

君からのメールはそんな言葉で閉められていた。

そう言えば以前君と居酒屋で議論した事を思い出した。内容は本当に地球は丸いのか?というそれだ。そんな話の中で君は当たり前のように丸い事を主張した。根拠としては科学者の学説や地学的な理論でもない。もっと単純な主張だった。



根拠?そんなの単純だよ。
だって地球は丸いんだから。人は、巡り合っていくものだから。愛は、巡り巡っていくものだから。
あなたとわたしが。わたしとあなたが。


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仕事くれと思ったり、仕事辞めてぇと思ったり、ニート最強と思ったり、そんな有意義な事を考えつつちまちま更新(?)していくブログです。

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