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おくりびと



おくる人がいて
おくられる人がいる
どっちかが欠けたら成立しないし
それはどちらも必要不可欠なんだと思う
どっちが偉いとかどっちが上とかそんなのじゃなくて
お互いがお互いを――どっちともどっちを誰よりも求めているんだから

おくりびと


~Cute Without the E~

世の中には沢山の人がいて、一生の内に数え切れないほどの人達と接していくわけだが、大まかに言えば全ての人は2種類に分けられることができる。

電話がきて嬉しい人と、そうでない人だ。

後者なら通話ボタンを押すのを躊躇するし(そして出れなかった言い訳を考える)前者なら早押しボタンの如く通話ボタンを押す。光の速さでボタンを押すと挨拶もそこそこに君の注文が聞こえてきた。

「バイトの飲み会で終電無くなっちゃった~。迎えに来てくれない?」

口調こそは疑問形且つお願いだが、実質的には命令のそれだ。明日も普通に仕事だし、もう寝なければ仕事に差し支える事も分かっているのだが小箱に入れているキーを取り出して車のドアを開ける。そして今日もわがままなお姫様を迎えに行く。

そして時刻は数分程捲き戻る。場面は寒い車内ではなく、まだまだ熱気が残っている飲み会の会場だ。
「しっかし、今日の飲み会は不作だったよねー」
「確かに、ろくな男がいなかったよ」
「さやー、そう言えば今の電話彼氏?」
「は?んな訳ないじゃん。単なる【足】だよ」
「ひでー、でも家まで送ってもらうんでしょ?上がってもらわないの?」
「それがさー、あいつばかなの(笑)家に上がって二人きりになると何するか分からないから遠慮しておくよだって(爆)ばかじゃね?」

飲み会の会場だった場所は今日一番の笑い声に包まれた。有り得ないとかホモじゃねとかそんな聞くに堪えない言葉ばかり聞こえてきた。そんな中さやに話しかけた友達が名案を思い付いたように、
「それってさー、今話題のおくりびとって奴じゃね?」
「確かに、送り人であるし、贈り人でもあるね」
「ひでー、貢がせてんのかよ」
「あたしは買ってなんて言ってないよ。単にあいつの目の前でこれが欲しいと言っただけですー」
「上目遣いでだろ?この悪女が」
「あたしは悪くないも~ん。あいつが勝手にやっているだけですー」

悪口を言う人には2種類いる。それがバレる人と、何があってもバレない人だ。さやが超人的な感覚で危険を察知して話題を変えると居酒屋のドアが開いて運転手が現れた。
「ありがとー、来てくれたんだ~」
先程までとは声のトーンも表情も違う。その変わり具合に周りの友達達は必死に笑いを堪えていた。

そして居酒屋から一人の女性が消え、残った女性達は消えた彼女を肴にして話題を続ける。
「しっかし、ひでー女だな。にしてもあの送りクン結構可愛い顔してなかった?確かさやと同じバイト先だったよね?今度遊びに行って誘っちゃおうかな」
「やめといた方が良いよ」
「何で?」
「さやはあんな事言っているけど、あんまりあの子にちょっかい出さない方が良いって事」

何で?と友達が聞いたらさやの一番の親友(腐れ縁だとも言うが)だとお互いに自負している娘が答えてくれた。
「あの子がお気に入りのタイプがいて、お持ち帰り及びお持ち帰られされた事ってあった?」
「そう言えばいつも【今日はろくなのがいなかった】って言いながら電話してるね。んで、いつもおくりークンの車で帰ってる」
「そ、そういう事」
え~どういう事よ?と友達が聞いてくるが親友は多くを語らない。いくら親友でも所詮は他人だ。語る程の事を知らないと言えばそれまでだが彼女は1つだけ知っている。さやはああ見えてかなりの人見知りであり、知らない男が運転する助手席に座る事は滅多にない。いや、それでも1人だけにこにこしながら座っている相手がいたな。

そ、そういう事。誰に言うでもなく親友はぼそっと呟き残った焼酎を一飲みした。それは彼と彼女への祝杯のように。行ってらっしゃい、ばかっぷるさん。




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仕事くれと思ったり、仕事辞めてぇと思ったり、ニート最強と思ったり、そんな有意義な事を考えつつちまちま更新(?)していくブログです。

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